君と守る妖精の藍花– category –
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『君と守りし妖精の藍花』第1話 蒼月の森と忘れられた羽音
霧に沈む、蒼月の森。昼は音もなく白く煙り、夜になると、空に浮かぶ蒼い月が、木々のすき間から淡く光をこぼしていた。 風がそよげば、葉がささやき、時おり小さな羽音が、静けさを裂いて消えてゆく。 昔、この森には——藍色に光る花が咲き誇っていた。そ... -
『君と守りし妖精の藍花』第2話 ひとひらの出会い、手のひらの道標
夜が明けはじめ、森の霧がやわらかくほどけていく。 鳥たちがまだ目を覚ます前、淡い光が差し込む木漏れ日の中で、少年はゆっくりと目を覚ました。 目に映ったのは、静かに座る、小さな妖精の横顔。風に揺れる藍紫の髪が、夜明けの光をやさしく包んでいた... -
『君と守りし妖精の藍花』第3話 藍の森、ふたりの足音
蒼月の森の奥深く。 少年と妖精は、ゆっくりと静かな道を進んでいく。 道なき道。 絡み合った枝や茂みが行く手をふさぐが、宙を舞う小さな妖精が先を照らし、少年はその後を迷わずに歩いていった。 「ねえ、妖精って……みんな君みたいに飛べるの?」 ふいに... -
『君と守りし妖精の藍花』第4話 罪の記憶と藍の約束
深く、静かな霧が森を包んでいた。 妖精と少年は、幾重にも重なる古木を越え、冷たい苔の絨毯を踏みしめながら進んでいた。森の奥へと進むにつれ、妖精の胸の奥に眠る記憶の断片が、微かに呼び起こされていくような感覚があった。それとともに胸のうちに押... -
『君と守りし妖精の藍花』第5話 涙の湖と最後の種
妖精は、ゆっくりと重い記憶を語りはじめた。ひとつ、またひとつ──掘り起こすように。 妖精の国が滅びた理由。藍色の花の真実。人間との希望と、そして破滅の物語——そのすべてを。 少年は、ただ黙って聞いていた。真剣なまなざしで、目をそらすことなく。...
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